フラワーアレンジメントの心理学

臨床心理士が心理学を用いてフラワーアレンジメント作品を提案していくブログ

花がもたらす心理的効果

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生け花やフラワーアレンジメントをすると「気持ちがすっきりする感覚」を覚えます。そして,どうやらお花を使ったセラピーみたいなものもあるようですね。私自信も生け花やフラワーアレンジメントをすることで「気持ちがすっきりする感覚」を経験しているので,広義のセラピー効果みたいなものはあるのだろうと思います。
 
しかし,この「気持ちがすっきりする感じ」はなぜ生じるのか,「実験的(科学的)に」セラピーと呼べる効果があるものなのか,心理学的視点から考えてみようと思いました。「実験的(科学的)に」というのは,多くの人に共通して,ほぼ必ずそのような効果が見られるという証拠を示せるのかということです。
 
例えば「この花の香りはストレスを緩和する作用があります」と言って,その花を飾ることを推奨されたとします。これが実験的(科学的)に正しいと言うためには,たくさんの人を対象にその花の香りを嗅いでもらい,感情や生理反応(例えば,心拍,血圧,血液,脳波)の変化を数値で示し,香りを嗅ぐ前後でストレスの状態が変化したことを証明する必要があります。
 
お花を生けたりアレンジメントを作ったりすることによる弊害はないわけですし,「作成する」という行為やお花の香りを楽しみ,本人の気持ちがスッキリすればそれで良いのですが,「お花を使って心理セラピーができます」というような活動を見ると,「心理学的視点」から見てどうなのだろうと気になってしまうわけです。
 
お花を用いた心理セラピーのようなものを実践されている方々の多くは,主にフラワーアレンジメントなどお花の専門家としての立場から関わっておられるようです。他分野の方々が人のこころに興味を持ち,こころを健康にする方法を実践してくださることには大変興味があります。そこで,私は心理学の専門家という立場から,趣味のフラワーアレンジメントを通じてフラワーアレンジメントが心にもたらす効果について考え,綴ってみたいと思います。
 

今週のお題「植物大好き」